旅日記       (文・写真:小林一統)
スイス・イタリア紀行12日間《U:イタリア 編−3》
(平成23年5月31〜6月11日)
 6月7日 1.ローマ
 ヨーロッパ文化の基礎を築いた古代の建造物や芸術品が街のいたる所に残るローマは、イタリアで最も
 パワフルな活気に彩られる街といわれる。2500年の聖年を経た歴史の舞台に相応しい様々なモニュメ
 ントは、古代から現代までの時が融合した万華鏡のような魅力が煌めいている。
 1-1 コロッセオ
 周囲527m、高さ48.5m、約5万人収容するという、ローマ皇帝の力を今に物語る貴重な遺跡。
 西暦72年に着工。約4万人の奴隷を使用して、たった8年で完成させたという闘技場跡。
 政治から市民の関心をそらせるための娯楽施設建設が目的で、完成後は日夜行われる猛獣対奴隷の
 血生臭い競技にローマ市民は虜になったのである。
コンスタンティヌス帝の凱旋門とコロッセオ コロッセオ・闘技場内部
 1-2 フォロ・ロマーノ (ローマの公共広場) ローマ皇帝たちの夢の跡
紀元前509年から西ローマ帝国滅亡までの約1000年もの間、政治・経済の中核をなしたローマ中心部
ここには至る所に遺跡が点在する。

遺跡

パラティーノの丘
貴族や富裕家族の邸宅があっ
た。フォロ・ロマーノが一望できる

遺跡
 1-3 ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂

白亜の大理石の巨大建築
イタリア王国初代国王の
     記念堂

 1870年イタリア統一の後
 初代国王となった偉業を
 記念して、1911年に竣工
 された。   

記念堂前広場 界隈
 1-4 サンピエトロ広場
幅240m、長さ340mにわたる。ローマ最大の広場。中央には、高さ25メートルのエジプトのオベリスクが
そびえる。17世紀後半、法王アレクサンデル7世の命を受けベリニーニが建造。日曜日の正午には法王
からの祝福の儀式がある。
サンピエトロ大聖堂
聖ペトロの司教座 ⇒
 1-5 トレビの泉
コインを投げると再びローマに戻れるという。今は、コイン2枚で恋が成就。3枚で恋人と決別できる、とか。
1-6 スペイン広場
 近くにスペイン大使
館が置かれたことが
名前の由来。
 「ローマの休日」の
ヘップバーン気取り
で写真撮影。   ⇒
真実の口
 6月8・9日 1-7 ヴァチカン市国(ヴァチカン美術館) 無数の美の至宝が待っている。
中でも、システィーナ礼拝堂は、すでに60歳だったミケランジェロが一人で7年の歳月をかけて完成させた
という天井画に唖然とする。ミケランジェロ、ボッティチェリ、ギルランダイオ達・・・壁のフレスコ画もすごい。
400年以上も前に描かれたものとは思えない鮮やかな色彩に圧倒される。

―人間の創造―
創造主からアダムへ
回廊天井の黄金が眩しい 螺旋階段を登れば切符売り場が 最後の審判;審判者キリスト
 6月9・10日 2. ナポリ・アマルフィ海岸
山あり、海あり、島あり、青い空あり、キラキラ陽光ありで想像を超えた風光明媚を絵に描いたような自然に
癒やされ、旅の疲れも一気に吹き飛ぶ。

ヨーロッパ大陸唯一の活火山
ヴェスヴィオ火山
ローマからナポリへの車窓から

   ―アマルフィ海岸―
白い家が明るい陽射しに輝き
青く澄んだ海の色に映える

再びローマに帰りローマA/Pへ
様々な思い出を積み込み
KE747便にて仁川A/Pへ
6月11日 3. 終わりに
「若い女性が赤ちゃんを抱いていたらスリと思え!」「流しの車を街角で拾うと、法外にぼったくる悪徳運転
手が多い!?」「忘れ物をしたら帰ってこないと思え!」 イタリアの格言・・・!?だからと言って私がこの
町を嫌いになったかというと、そうではありません。ほんの2・3日で素通りしただけなので、本当のことは分
りませんが、雑踏も、お世辞にも小奇麗とは呼べない街並み、駅のホームの線路上には煙草の吸殻が絨
毯を敷いたように散乱している・・・。

(横行する犯罪はさすがに感心できませんが)
中世から現代まで恵まれた自然と稀代の芸術家を生み、そして彼らが残した作品を後世に残している文
化に対する価値観。絵画に彫刻に建築物・・・。それら全てに数百年に及ぶ歴史が如何なく刻み込まれて
いる。あの時代にこれだけのものが残せたことへの情熱とエネルギーはどこから湧き出たものなのか。
そして数百年の風雪を経ても風化することなく、ましてや輝いている。学識のない小生にとってはただ驚き
である。日本の歴史を見ても言えることであるが、今を生きる我々が後世にどれだけのものが残せるのか。
昭和・平成の遺産は(残せるのはコンクリートビルとゴミの山・・・?)と思うとき、そこはかとないむなしさを感
じさせられた。地球のエネルギーを使い果し、自ら破壊した大自然の猛威になすすべもない現実に直面
している今こそ、自然と先代の人々への畏敬と猛省を・・・と思わされた旅であった。
紙面の都合で上滑りの紹介になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
そして同行した友への感謝をしながら・・・。      いただいて足りてひとりの箸をおく ―山頭火― 
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