腰痛は働く人に最も多く見られる症状です。(腰痛は正確には病名ではなく症状です)
特に近年、慢性的な運動不足から筋力低下などを原因に腰痛を訴える人が多くなっています。
また重量物などの取り扱い業務では、無理な姿勢、間違った姿勢での作業による急性、慢性の
腰痛を認めることがあります。 |
(1)腰痛を起こす病気は @ぎっくり腰(腰部捻挫) A椎体骨折 B椎間板ヘルニア
C腰痛症(椎体や椎間板などに異常がない腰痛)
(2)発病のしかたによって @急に起こる急性腰痛(災害性腰痛) ※
A徐々に痛くなる慢性腰痛(非災害性腰痛)があります。
※災害性腰痛とは通常とは異なる動作、(屈曲、伸展、回旋など)や、急激に無理な力が加わって突然、
作業中に発症した腰痛です。 |
(1)動作関連
(2)環境要因
(3)個人の要因 |
@腰部に強い力が作用する(重量物取り扱い)
A腰の前屈(前かがみ)後屈捻転(後ろに反って捻る)身体を捻る作業を繰り返す
B長時間同じ姿勢を保つ(拘束姿勢)
C急激または不用意な動作 など
@寒冷(身体を冷やす)A振動、衝撃B床面が滑りやすい、段差がある
C照明が暗い 年齢、性、体格、筋力、心理的要因、仕事への習熟度 |
業務上の疾病として認められた腰痛の95%は、ぎっくり腰などの
急性腰痛です。特徴として
@週の初めに多く発生する A午前中に多く発生する
B男性に多い C経験年数が短いほど発生頻度が大きい
D製造業に多い E定常業務、一人作業の時に多く発生する
F不自然な姿勢をとったとき多く発生する
G約30%は1ヶ月以上の休業を要する |
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(1)職場環境、作業管理の改善
(作業姿勢、重量物の軽減、作業時間の短縮など)
(2)作業前体操の励行(身体の準備、身体の目覚め)
(3)腰痛予防体操の励行
(関節を動かす、筋肉と靱帯のストレッチ、筋肉を鍛える)
腰は腹筋、背筋、腸腰筋などで支えられています。
筋力が弱ると負担は直接、腰の骨や腱にかかり容易に腰痛が発生します。 |
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普段から身体を動かして筋力を鍛え身体の柔軟性を保ち、作業に入る時は腰を意識し、
特に重量物を扱う時には注意して、災害性の腰痛を防ぎましょう。 |
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